ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3430)

 なぜ、私は頭の回転が遅いのか

 あまり積極的に認めたいことではないが、どうも僕は頭の回転が遅い。理系出身の方と会話をすると、特にそのことが露になる。

 「頭の回転速度」(学力とは異なる)は、ビジネスで成果を出す上での要件のひとつでもある。

 ビジネスでは「即座に、その場で、的を射たことを言う」ことが必要な状況は多い。実のところ、「的を射たことを言う」よりも、「即座に」と「その場で」という条件の方が難しい。

 僕も、自分の「頭の回転の遅さ」については、抜本的な改善が必要だと考えている。

 「即座に」「その場で」対応するには、「頭の回転の速さ」が必要で、しかも「頭の回転速度」そのものは、鍛えて向上させるのが非常に難しいからだ。

 ではなぜ、僕は頭の回転速度が遅いまま、社会人になってしまったのだろうか。

 これは学生時代、読書をメインにした学習スタイルを取ってきたからだと思う。だから、研究室での議論ベースで鍛えた理系の人と比較すると、頭の回転速度と論理的思考力が一段か二段は落ちてしまう。

 数学や物理の理論や数式と向き合って研究成果を出すより、思想や歴史の知識をコツコツ蓄積する方が、「圧倒的に楽」だ。若い頃、思想や歴史などの勉強をしてサボっていると、脳が充分に鍛えられない。

 紙と鉛筆で数式と格闘し、仲間と議論するのと、寝転がって思想や歴史の本を読むのでは、脳への負荷が全く違う。

 自分では、「よく勉強した」と思ってきたが、結果から判断すると、理系の人との「頭の回転速度」の差は、開く一方だったと思う。

 いずれにせよ、読書メインの学習スタイルでは、「頭の回転速度」を充分に鍛えられない。思想や歴史の本を読んで頭が良くなったつもりの文系学生は、その瞬間も、理系学生に能力差を付けられている。

 これを言うのは酷だが、就職の際、理系が優遇され、文系が冷遇されるのは、理に適っている。

 理系の人の方が、学生時代に鍛えれるため、成果を出す上で重要な「頭の回転速度」が向上するからだ。

 これに比べると「学生時代に1000冊の本を読みました」という類の文系学生は、勉強熱心どころか、単に楽をしてサボっているだけだ。

 嘘だと思う文系学生は、優秀な理系出身者と直接議論すれば、よくわかると思う。いかに自分の頭の回転速度が遅く、論理的な思考もできないかを。なぜ、企業は文系ではなく、理系の学生を積極的に採用するのかを。

 2014年は、僕にとって「停滞」の年だった。理由は色々と考えられるが、敗因のひとつは僕の「頭の回転の遅さ」だった。

 僕は、頭の回転が遅い。学生時代、一生懸命勉強したつもりだったが、客観的に評価すれば、単に楽をしてサボっていただけだった。あまり認めたくはないが、まずはこの点を素直に認めるようにしたい。

 山田宏哉記



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