ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3441)

 世の中をフェアな場所にする。そのために格闘する

 実生活でこんな話をする機会があった。

 「僕は日本の英会話学校が好きではない。講師の採用に人種差別の匂いを感じるからだ。」

 青臭いかもしれないが、僕は人種差別や民族差別を、本気で「すべきではない」と思っている。人は、差別を肯定した瞬間、リーダーたる資格を失う。たとえ、差別が動物の本能だとしても、リーダーは差別を許してはいけない。

 南アフリカにアパルトヘイトが残っていた頃、日本人は「名誉白人」扱いされていた。今、当時の世相を振り返ると、「名誉白人」待遇を内心喜んでいた人は、結構いたような印象がある。

 悲しいかな、「差別はいけない」と口にしながら、いざ自分自身が「特権階級」の待遇を受けると、信念や信条も折れ曲がってしまう。これは人間の弱さだろう。

 しかし、敢えて断言する。日本人が「名誉白人」待遇を喜ぶのは、人として間違っている。

 「差別が動物の本能」ということくらい、僕もわかっている。重要なのは、この先だ。「だから、差別は仕方ない」のか、「それでも、差別を許すべきではない」のか。

 僕は理想を掲げる側に転向した。理想を掲げて現実と格闘しなければ、世の中は動かない。

 世の中がフェアであるためには、本人の努力で後天的に変えられないことは、評価対象にするべきではない。今の世の中がフェアだとは思わないが、だからこそ僕たちは、世の中をフェアにするべく、力を尽くさなければならない。

 「世の中は腐っている」とか「日本は沈没する」といった話を得意気にする人がいる。

 その通りかもしれない。その通りかもしれないが、だから何なのだ。だから、海外に逃げて、昼寝でもして暮らすのか。

 少なくとも僕は、世の中をよりフェアな場所にするために、本業と文筆を通して、格闘することに決めた。

 山田宏哉記



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2015.2.15 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ