ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3456)

 あぁ、僕は無能だった

 色々と思うところがあり、中小企業診断士の勉強を開始した。

 そして、僕にとって、弱点となっているのが、財務会計の分野だ。自分がいかに「経営の必須知識」を知らないか。それを思い知って、ショックを受けている。

 よく考えたら、職種に関係なく、ビジネスパーソンが簿記の用語や減価償却の考え方をロクに身に付けていないとか、正直、「あり得ない」のではないだろうか。

 今更気付いたが、僕は無能だった。

 そして、理論的かつ体系的な勉強をしなくても、仕事を「慣れと経験」で、それらしく回していることに、危機感を感じている。

 比喩として言えば、複式簿記の、取引を借方と貸方に分ける考え方も、根本部分を理解をしていなくても、会計ソフトの操作はできると思う。

 「この欄に請求書の金額を入れなさい!」とか指図されて、何も考えず、何も理解せず、作業する。それでも、「データ入力者」や「会計ソフトのオペレーター」にはなれるはずだ。

 現場で「あれをやれ、これをやれ」と言われて、指示に従うだけなら、別に財務や会計の知識は必要ない。

 簿記の考え方を理解していない人が、「一生懸命、会計ソフトにデータ入力しました!」とアピールしたら、それは評価に値するだろうか。「頑張ったね」と労をねぎらう必要はあるが、だからと言って、重要な仕事を任せるわけにはいかないだろう。

 しかも、その程度の能力で「俺様は正当に評価されていない」とか、愚痴を垂れたりして。自分の無能さにすら、気付いていない。

 世の中にはこの手の「仕事をしたつもり」が溢れているように感じる。そして、ここまで極端ではないにしても、僕も似たようなものだった。

 先日、不意に「誰のおかげで、飯を食えていると思っているんだ!ゴミみたいな実績しかないくせに、身の程を知れ!」という、"天の声"が聞こえた。

 世の中で活躍しているのは、彼であって、僕ではない。卓越した成果を出しているのは彼であって、僕ではない。

 色々と言い訳をしたかったが、やはり僕が悪くて、無能だと言わざるを得ない。"天の声"の内容は事実で、あまりに不本意で、さすがに泣きたくなってしまった。

 山田宏哉記



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2015.4.25 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ