ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3462)

 「頭がいい俺様」は、なぜ不遇なのか

 今週、ある経済学の本を読んでいたところ、著者の自己顕示欲あるいは劣等感が文章の端々から感じられた。

 気になって著者のプロフィールを確認したところ、大学院生→研究者の道を挫折→予備校講師 となっていて、つい「やっぱりな」と感じてしまった。

 何が「やっぱりな」なのか。「頭のいい俺様」というプライドが捨てきれず、読者や周囲を不愉快にさせているにもかかわらず、その自覚がない。

 「俺様の頭の良さ」を鼻にかけるような態度は、有害無益だ。まともな民間企業で働いていれば、すぐにわかる。

 ところが、実社会で揉まれた経験がないと、なかなか、これに気付きにくい。

 僕も、働き始めた頃、よく「上から目線」を注意された。自己評価が高い割に、思っていたような仕事ができず、言葉の節々から不満が滲み出ていた。何しろ、「立場は下でも、能力では負けない」が信条だったので、どう考えてもトラブルメーカーだったと思う。

 「頭のいい俺様」というプライドは厄介で、結構、無意識に言動に出てしまったりする。学生時代、テストで良い成績を取ったりしていると、つい、「頭の良さを活かした仕事」をしたくもなる。しかし、それは間違っている。

 余計なお世話だが、偏差値70程度の学力では、「飯が食えるレベルの頭の良さ」ではない。

 ここで変なプライドを持つと、成果を出せないし、カネも稼げない。偏差値70程度の学力なら、「自分はバカだ」と割り切って、その分、猛烈に行動した方が良い。

 僕も「自分はバカだ」と割り切っている。バカだから、気力と体力の勝負に持ち込み、自分の手と足を使って、お金を稼いでいる。

 例えば、話題のマーケティングスポットがあれば、休日などに実際に足を運び、五感を使って、背景にあるマーケティングのロジックを考える。

 決して、部屋にこもって、頭だけで考えることはしない。非効率な手法を取るのは、単に「僕がバカだから」だ。

 おそらく僕は、大抵の「頭がいい俺様」よりも、成果を出していると思う。

 ビジネスで重要なのは、「頭の良さ」よりも、気力と体力だ。自分の「頭の良さ」に頼る限り、大きな成果は出せない。ビジネスの世界で、「頭のいい俺様」が不遇なのは、むしろ当たり前の話なのだ。

 山田宏哉記



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