ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3489)

 自己啓発本に関するいくつかの留意事項

 実生活で、自己啓発本に関する話をする機会があった。

 「会社で評価が低い人は、あまり自己啓発本を読まない本が良いと思う。それより、職場の人からのアドバイスを素直に聞いた方が良いと思う。この理由について、踏み込んで説明したい。」

 「自己啓発本の書き手には、社内評価が低くて、実質的に会社をクビになったタイプの人も結構いる。炎上ブロガーとか。そういう人の主張には、個人的な怨念が混じっていて、実際に会社で実践すると、危険なものもある。この辺を見分けるのは、結構難しい。」

 「個人的には、元外務省職員の作家や元富士通の有名人事コンサルタントのビジネス本も、普通の会社員が職場で実践する内容としては、『相当に微妙』だと僕は思う。この辺のバランス感覚に自信がないなら、『自己啓発本の内容を職場で実践』するのは、やめた方が賢明と思う。」

 「読書は、よほど意識しないと、その人が既に持っている固定観念を強化することになりやすい。評価が低い人は、本棚の前に立った時、無意識に『脱社畜の働き方』とか『楽して成果を出す方法』みたいな安直な本に手を伸ばしがちだ。」

 「僕は読書をビジネスに活かしているけど、書籍の内容について、『自社に適用できる話なのか』『どうすれば、自分の成果につなげられるか』を見極めるのは最重要だ。ほとんど無意識にやっているけど、我ながらこれは、ノウハウの結晶だと思う。」

 自己啓発本も書いている、ある著名言論人については、「『頭がいいと思われたい』という意識が強すぎ」ということで、認識が一致した。これは彼に限った話ではなく、文科系の言論人が真に主張したいことは、大抵、「俺様は頭がいい」だったりする。

 自己啓発本の書き手には、色々な事情があるし、もちろん読み手にも色々な事情がある。

 本の内容に囚われることなく、人間の弱さや下心、更には昨今の出版不況の事情を踏まえた上で読むなら、自己啓発本を読むのも、一定の勉強になると思う。

 でも、その辺りの事情に疎いようなら、身近な人からの助言を参考にした方がずっと良い。

 ついでに言っておくと、一生懸命、自己啓発本を読んでも、大抵、給料も評価も上がらない。ビジネスはそれほど甘い世界ではないし、その覚悟がないなら、自己啓発本など読まない方が良い。

 上記のような点を踏まえているなら、自己啓発本を読んでもいいんじゃまいか、と僕は思う。

 山田宏哉記



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2016.1.10  記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ