ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3494)

 新卒でコンサルタントになるのは、最良の選択か? 

 仲間とのちょっとした雑談がキッカケになって、不意に「コンサルタントの起源」について、色々と考えさせられた(僕自身は、現在、職業的なコンサルタントではない)。

 組織の中には、周囲から「知恵を貸して欲しい」とか「◯◯について教えて欲しい」と頼られるタイプの人がいる。本来、コンサルタントというのは、この延長線上にいるのではないだろうか。

 「コンサルタントになりたい」という人は結構いるように感じる。そういう人は、普段、仕事仲間から、相談や質問、問い合わせをよく受けるタイプだろうか。

 答えがノーなら、もう一度、よく考えた方がいいのではないだろうか。仕事仲間からも求められない程度の知見に、お客さんはお金を払うのか。

 このように考えると、僕には、新卒でコンサルティング会社に就職する意味が、よくわからない。パワポで紙芝居を作る能力と、事業を回す能力は、全くと言っていいほど別物だ。パワポで紙芝居を作るよりも、実際に現場で働く方が、遥かに楽しいし、得るものが多い。

 コンサルティング会社が激務なのは有名だが、やっていることは、究極的には「紙芝居作り」である。自分の手を動かして、カネを稼ぐ、リアルな事業ではない。高級紙芝居を作るために、一生懸命働いたとして、それだけで実務能力は充分に引き伸ばされるのか。僕から見ると、疑問だ。

 経験に照らした確信を言えば、実務能力は、企画や戦略立案から、実行と効果検証まで、一気通貫で手がけるからこそ、飛躍的に高まる。また、実際に自分の手を動かして、お金を稼ぐのは、商売の基本中の基本で、これを疎かにするようでは、何をやってもダメだ。

 新卒でコンサルティング会社に就職した人は、当然ながら、事業経験がない。そんな「事業の素人」でも、コンサルティングができるのか。著名な外資系コンサルティング会社を見ると、そこで登場するのが、「ファクトとロジックをベースにしたコンサルティング」だ。確かに、これなら、地頭だけでできる。

 しかし、「ファクトとロジックで人は動く」という想定は、正直言って、前提から間違っている。人を動かすのは、広義の「好き嫌いと損得」だ。普通の人は、「好き嫌いと損得」で、仕事や生活をしているのに、ファクトとロジックで人を動かそうとするのは、根本的にズレている。

 現在、著名なコンサルタントとして活躍している方は、事業会社からコンサル会社に中途で転職したか、途中で自分の会社を起業しているように見受けられる。

 やはり新卒で「コンサルタント」になって、パワポの紙芝居作りに終始するのは、実務能力を伸ばす上で、バランスを欠いていると思う。

 確かに、給料や世間体は良いかもしれないが、新卒でコンサルティング会社に就職するのは、仕事のやりがいや、「腕を磨く」という観点からすると、正直、最良の選択とは言いがたいと思う。全くもって、余計なお世話なのですが。

 山田宏哉記



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