ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3503)

 仕事で「楽」をした瞬間、凋落が始まる  

 小杉俊哉(著)『職業としてのプロ経営者』(クロスメディア・パブリッシング)を読んでいたら、今まさに、僕が考えていたことが記されていた。

。"一般のビジネスパーソンは、そのくらい[入社後3〜4年]になると仕事に慣れてくるのでだんだんと「楽」をするようになる。(略) しかし、そのときに手を緩めると一気に成長曲線が下がるのだ。"(P224)

 僕は、この指摘に100%同意する。「仕事に慣れて、『楽』をすると、一気に成長曲線が下がる」という話は、非常に納得がいく。

 職場のローパフォーマーに共通して見られる共通点。それは、彼らがこれまで、仕事をする中で、「楽」をしてきたということだ。

 本人は「俺様は一人前になった」とふんぞり返っているかもしれないが、仕事に慣れて「楽」をした瞬間から、凋落が始まる。

 少なくとも、彼らは全力を出さずに、仕事を流している。仕事に慣れると、ある程度、こういう芸当もできるようになる。

 しかし、敢えて言わせてもらう。仕事で「楽」をするのは、「没落への道である」と。

 もちろん僕は、非効率な仕事や無駄な苦労を賞賛しているわけではない。当然ながら、そんなものはない方が良い。そうではなく、常に仕事とは、全力で、余力を残さず格闘せねばならないと思うわけだ。

 「自分の仕事を狭く限定し、楽をする」というのは、成長が止まり、下降線に入った人に、共通して見られる特徴だ。特に若い人は、仕事に関して、楽をしようとしてはいけない。いくら稼いでいようと、掃除や後片付け、諸々の雑務を免除されるような「偉い人」になってはいけないのだ。

 会社で「それは私の仕事ではない」という言葉を使う人は、要注意だ。そもそも、会社とは何か。同じパンを食べる仲間が、事業を通して、何かを実現しようとしているわけだ。

 本来的に、会社の仕事は何であれ、担当の割り当てはあるにせよ、「我々の仕事」なのだ。我々が、我々の仕事を為そうとしている時に、「それは私の仕事ではない」はないだろう。

 自分の仕事を狭く限定し、それ以外のことを「それは私の仕事ではない」と言って、知らんぷりする。こういう態度を取っている人は、失礼ながら、実力が低い。「楽」をした代償として、成長が止まり、凋落フェーズに入っているからだ。

 僕の担当領域は、日々、拡張している。確かに、慣れた仕事だけをした方が成果を出しやすく、新たに挑戦する仕事は失敗しやすい。自分の仕事を狭く限定せず、新たな仕事に挑戦するのは、決して楽ではないが、だからこそ、成長に結び付くと感じる。

 僕自身、常に自戒が必要なのだが、「得意分野の仕事に専念したい(楽をしたい)」という誘惑が、ないと言えば嘘になる。

 日々、担当する仕事が増えるからこそ、僕自身、曲がりなりにも、腕を磨くことができている(と自分では思う)。

 しかし、「楽」をした瞬間、成長が止まり、凋落が始まる。特に若いビジネスパーソンは、このことを銘記されたい。

 山田宏哉記



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