ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3516)

 在任期間の最終日まで、集中力を切らさない

 定期的に指摘する話だが、人事異動や業務変更などが決まった後、残りの在任期間で、集中力を切らしてしまうタイプの人がいる。

 例えば、残り期間が少ない仕事で仲間に迷惑をかけるのはお構いなしで、1週間後の座席変更の話に興じたりするわけだ。

 しかも、他者に模範を示すべき立場にある方が、在任期間中の仕事を蔑ろにして、「来月からの俺様の座席のキャビネットはどうするんだ」とか言っていると、本当に失望してしまう。そういう時、僕は静かに思うわけだ。「あぁ、残念ながら、彼はプロフェッショナルではなかったのだ」と。

 たとえ、異動が決まっていたにせよ、残りの在任期間の仕事を蔑ろにして、異動後の座席の話に興じるような人は、「まっとうな職業人ではない」「もはやプロフェッショナルではない」と断定せざるを得ない。

 あくまで例だが、組織で働いていれば、不本意な懲罰人事を受け、現在の仕事を外され、別の拠点に飛ばされることも充分あり得る。そんな時でも、在任期間の最終日まで、絶対に集中力を切らさない。最後までやり抜く。この姿勢が極めて大切だ。

 職業人としての信用は、そういう積み重ねの中でしか、築けないものなのだ。

 「あぁ、彼は充分な成果を出せずに、左遷されたか。それでも、在任期間の最終日まで集中力を切らさずに、全力で働いていたな」と。仕事仲間がそう感じたなら、今後数年は泥の中を這うことになるが、挽回は可能である。

 不本意な懲罰人事が決まった後、在任期間の最終日まで、いくら頑張ったところで、その人事が覆る可能性は、ほぼない。だからこそ、彼がどれだけ真摯に、責任感を持って仕事をしているかが、明らかになるわけだ。

 たとえ、懲罰人事を受けたとして、今後数年間、泥の中を這うことが確定していたとしても、ひとりの職業人として、ひとりのプロフェッショナルとして、やはり在任期間中の最終日まで、ベストを尽くすべきだ。

 仕事への矜持と仲間からの信用は、そこまでしてでも守り抜くべき、大切なものなのだ。定期的に言っている話ですが、改めて公言しておきます。

 山田宏哉記



2016.11.5 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ