ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3521)

 出世できなくても、人生は素晴らしい
   - NPO Lacgo(ラクゴ)を設立し、活動を開始 -

 この度、妻と共同で、NPOのLacgo(ラクゴ)を設立し、活動を開始しました。

 活動内容は、大きく分けて、2つあります。
 ―仞ざチ茲貿圓譴動嬪澆鮗困辰進ご本人に対する教宣(教育と宣伝)活動
 ⊇仞ざチ茲僕邯爐靴臣羚眷会社員にお困りの企業・職場に対する教宣活動

 端的に言えば、「出世できなくても、人生は素晴らしい」という価値観を、真正面から訴求し、世の中に浸透させ、意欲を失った方の再起を支援することを、ミッションとしています。

 僕はなぜ、こんなことをしようとしているのか。

 大阪に旅行している最中、僕は妻に「企業内で落伍して、やさぐれている中高年の会社員たちを、再起させることができたなら、日本の将来にとって、凄く意味あることじゃないか」という話を力説した。そして、妻の支持と共感を得ることができた。

 自分が本心から問題だと思っていることのうち、妻の支持と共感を得られることならば、やる価値がある。

 僕はこれまでの経験から、「出世競争から落伍して、意欲を失った会社員」の存在こそが、日本において、働き方や生産性を考える上で、最大の問題だと確信している。

 内心、「自分のことを大きく見せよう」とか「少しでも良い地位を獲得したい」となど考える人が多い中で、組織がピラミッド構造になっていれば、その中で、高い地位を獲得できる人の数は限られる。必ず、不本意にも脱落する人が現れる。

 組織がピラミッド構造であり、不可避的に多くの落伍者が出ることを前提とするならば、最終的には、「納得」の問題なのである。

 組織のピラミッド構造から落伍した、本人の「納得感」だけが、問題なのである。仮に出世できなくても、「人生は素晴らしい」と感じられれば、それで充分なのだ。

 ピラミッド構造の組織において、上位職に抜擢されるのは、「相対的に見て、より優れた人材」である。

 仮に自分が優秀な人材だったとしても、それ以上に優秀な人材がいれば、上位職に登用されるのは、彼の方だ。ベストを尽くしても、出世できずに落伍したなら、それはそれで仕方がないのだ。

 現実には、多くの会社員が、出世競争に落伍し、打ちひしがれ、意欲を失っている。そういう人は、家庭でも、「粗大ゴミ」と化している可能性が高い。

 職場で落伍して、やさぐれている、中高年の会社員だって、幼い頃からの教育投資を累計すれば、何千万円にもなるわけでしょう。

 また、彼らの親だって、職場でやさぐれている彼らの姿を見れば、自らの「教育の失敗」が身に染み、傷付くことでしょう。こういう現状を、放置して良いとは思えない。

 何千万円もの教育投資を受け、親が手塩にかけて育てた人材が、出世競争に敗北し、やさぐれて、職場に不機嫌を撒き散らし、不本意なまま、会社を去っていく。「本当にこれでいいのか」という思いが、日に日に強くなってきた。

 もちろん、「そういう風に感じるのは、お前自身、負け犬に転落したからだ」と言われれば、全くその通りだ。全くその通りなのだが、本来ならば、会社や社会に対して、大きな貢献ができる力を持った人材が、出世競争の敗北でやさぐれて、力を発揮できない環境に置かれているのは、本当に大きな損失だと思うのだ。

 なお、補足すると、「そもそも、組織はピラミッド構造であるべきなのか」と考えた時、その合理的な根拠を言語化するのは、難しい。そもそも、ラインの指揮命令系統を重視する組織のあり方は、(インターネットが登場する遙か以前の)軍隊に起源を持つ組織構造である。

 確かに、「これでいいのか」という問題はある。

 しかし、「理的な組織のあり方」を議論するのは、僕たちの短期的なミッションには含まない。組織がピラミッド構造であることは、「与件」であると考える。

 何しろ、時間がないのだ。一刻も早い、再起が必要なのだ。組織はピラミッド構造であり、不可避的に多くの脱落者が出ることを前提に、どう対応していくかを考える。

 仕事でベストを尽くしても、出世できずに落伍したなら、それは恥ではない。実際には、恥ずかしいけど「ベストを尽くした以上、恥ではない」と自分に言い聞かせよう。

 仲間についても、同様に捉えよう。仲間が出世したなら、それはめでたいことだが、出世できなくても、人生は素晴らしい、と。

 なお、僕たちのNPOでは、随時、仲間を募集しています。

 調査研究分野に絞っても、
〕邯爐靴真佑亮詑崢敢此
⊇仞ざチ茲ら落伍するメカニズムの研究。
M邯爐靴真佑再起した場合の経済的価値の算出。
ね邯爐靴真佑魑澪僂垢襦屮┘汗御トレーニング」の研究開発

 など、やるべきことは山積しています。

 僕たちは今、建前や綺麗事を抜きにして、真に解決すべき社会問題に取り組もうとしています。組織で働いた経験がある方なら、「出世できなくても、人生は素晴らしい」と言い切ることの難しさも、同時に、身に沁みてわかっているはずです。

 だからぜひ、力を貸していただきたい。

 出世できることは、素晴らしい。しかし、出世できなくても、人生は素晴らしい。

 本気でそう言い切ることができる社会の実現に向け、ぜひ、力を貸していただきたい。

 山田宏哉記



2017.5.7 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ