ジョン・スミスへの手紙
サイバー・ラボ・ノート (3526)

 タワーマンション購入の教訓 - 見栄と虚栄の世界 -

 去年から今年の始めにかけて、ある分譲マンションの売買契約を結んだ。東京都品川区の東品川にある物件だ。
いわゆるタワーマンションに分類される。

 結論を言うと、僕はこのタワーマンションに入居する前から、あるトラブルに巻き込まれ(僕の側の責任も大きい)、極めて不愉快な経験をすることになった。おそらく、誰にでも起こり得ることだ。

 不動産の売買契約を結ぶまでは良かった。
 しかし、その後の行動が良くなかった。

 僕は、マンションブロガーのN(豊洲在住ということになっている)に、マンション購入に当たって、記事を参考にした旨のお礼と価格表を提供した。そして、Nはこの価格表の情報を元に、ブログ記事を書いた。この時のやり取りは、これで完結した。

 これに気を良くして、だんだん、欲が出てきた。
 「自分が買ったマンションの資産価値を高めたい」という欲が。

 ところが、マンションに関する口コミの掲示板を見ると、僕が買ったエリアやマンションは、悪口のオンパレードではないか!(後に判明するが、悪口を書き込んでいたのは、主として中央区・江東区の湾岸エリアに住む住民たちであった)

 要は、誰しも、自分が住むエリアとマンションが、可愛いのだ。 自分が買ったマンションの方が「格上」であると示そうと、躍起になっているのだ。

 特に、タワーマンションだと、見栄っ張りな住民が多いため、板状マンションと比較して、この手の水面下の争いが、より激化する。

 気にしなければ良いのだが、初めてのマンション購入ということもあり、僕もついつい固定ハンドルで、ポジショントークをしてしまった。色々あって、結局、それがマンションブロガーのNを巻き込むトラブルへと発展した。

 僕は、自分のTwitterアカウントと口コミ掲示板で、このトラブルのお詫びをして、幕を引いた。更に、デベロッパーや営業担当者にも、このトラブルを引き起こしたお詫びした。

 正直、屈辱的だった。
以後、僕は一切、マンションの口コミ掲示板を閲覧していない。

 マンションブロガーのNからは、要は「自分は悪くない」という趣旨のメールが届いた。僕からすると、Nにもトラブルの原因の一端があるように見えたのだが、仕方がない。
この時は、「全て、山田が悪かった」ということで、幕を引いた。

 一方で、「いつか、こいつらに報復しなければ、気が済まない」と思うようになったのは、事実だ。ただ当時、仕事では、昇進の候補になっている予感がしたので、私生活で、これ以上の余計なトラブルを起こすのは、避けたかった。

 僕は次第に、「あいつらに対して、どう報復するか」を考えるようになった。「あいつら」というのは、一連のトラブルを引き起こしておこした匿名連中のことだ。

 注意深く観察すると、彼らは非常に見栄っ張りなのだが、ある種の話題を避けていることに気付いた。

 出世や昇進に関する話題だ。
 見栄っ張りで、虚栄心の塊である彼らが、出世や昇進の話題を避けるのは、何を意味しているか。僕は直感的に彼らの弱点と劣等感を見抜いた。

 その後の報復の有無や詳細については、僕の口からは、明言しない。

 一般論を言うなら、見栄と虚栄に生きる者は、その性格故に、足元を掬われ、沈むのだ。因果応報であり、自業自得というものだ。

 一連の経験を通して、僕は「人間は、見栄と虚栄心の塊である」と痛感するようになった。

 自分を棚に上げるつもりはない。僕だって、タワーマンションを購入し、一時は「資産価値を高めたい」などと思うようになってしまったのだ。随分と人間の嫌な面を直視することになった。

 よく、「タワーマンションに"カースト制度"はあるか」が話題になる。少なくとも、「どのタワーマンションに住むか」によって、「序列」が発生すること、「序列」をつけようとする人がいることは、間違いない。

 例えば、豊洲のようなエリアだと、エリアで1のマンションは、ららぽーと豊洲に直結したタワーマンションということで、衆目が一致するでしょう。

 戸建てがない湾岸エリアだと、「どちらのマンションが格上か」という序列が、より厳格になります。

 おそらく、多くの住民が、近隣マンションの新築時の価格や中古での売り出し価格を、目を皿のようにして、チェックしているはずです。下手をすると、僕が経験したようなトラブルに、巻き込まれます。

 そういう見栄の張り合いに参加したくない人は、少なくとも、タワーマンションは避けた方が賢明です。

 山田宏哉記



2018.8.19 記事一覧へ戻る 文筆劇場・トップ