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 新宿ハイブリッドライフ

   掛け持ちでアルバイトをすることにした大きな理由のひとつは、「ひとつの収入源に依存したくなかったこと」です。

 収入源が一箇所だけだと、どうしてもその組織に対して、頭が上がらなくなります。

 自分の意志を貫きたくても、経済的な基盤がなければ、弱腰になってしまうのが、人間というものです。

 僕は、自分の腕(実力)しか頼りにしないので、「組織への忠誠心」は、どうしてもやや欠けます。

 もちろん、報酬以上の仕事はするように心がけているし、恩を仇で返すようなマネはしません。でも、必要以上の精神的な肩入れはしません。(分かりやすく言えば、サラリーマンには向いてないのね。)

 リスクヘッジ(危険回避)の意味もあります。 アルバイトですから、いつ解雇されるか、もしくは待遇が悪くなるか、わかったものではありません。「卵は分けて運べ」というわけです。

 複数の個所からの収入があれば、最悪、どちらかがダメになっても、ひとまず生活をつなぐことができます。

「案外、保守的だなぁ」と思われるでしょう。

 実際問題としては、金銭上の基盤がしっかりしていないと、「挑戦する勇気」とか、なかなか出てこないのです。さしもの僕も、上司に喧嘩を売って、いきなり路頭に迷うのは嫌です。

 僕にとって、斬新であるべきなのは、「作品」や「文章」であって、金銭生活がスリル満点なのは、むしろマイナスです。

 また、収入源が一箇所では、社会の教科書が教えてくれる各種の自由も何もあったものではありません。自立への道は、まず収入源をバラす、ことです。    

山田宏哉記

P.S.例えば、サラリーマンとして月給20万円の人より、2つの収入源から合計で月収15万円を得ている人の方が、おそらく余裕があります。

2005.10.9

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