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 イメージ・トレーニング

 何事も、身体で覚えるには、少し時間がかかります。

 覚えたい動作があって、頭では理解できているけど、 身体が言うことを聞かないときなどには、イメージ・ トレーニングが効果的です。

 イメージ・トレーニングには、経験不足を補う意味 もあります。

 実際には身体を動かさないで、頭の中の映像で動作 の流れを確認します。

 初めは、自分が動作の当事者としての視点から、動 作をイメージします。そして、実際に動いてみて、イ メージとのギャップを探ります。

 徐々に、イメージと実際の身体の動きの差を縮めて いきます。

 慣れてきたら、あたかも他人を見るような感覚で、 外側から自分の動作をイメージする方法もあります。

 サッカーを例にとるとわかりやすいのですが、観客 は「あっちにスペースが空いているのに、どうしてパ スを出さないんだ」と思います。

 でも、選手の視点は、地面に近いので、なかなか遠 くが見えません。一流のサッカー選手は、プレーしな がら、自分があたかも観客席から観ているように、空 いたスペースが見えるわけです。

 銀行強盗が成功(?)するかどうも、たぶん事前の イメージ・トレーニングにかかっています。よい子は やってはいけませんが。

 ちなみに、「内側からの視点」が欠けると、「他人 の評価ばかり気にする人」になってしまいます。逆に 「外側からの視点」が欠けると、「他人に心を閉ざし た人」になってしまいます。

 結局、「バランスが大切」という平凡な結論になり ます。

 頭では割り切ることができても、身体にはもやもや したものが残る、というのは、よくあることです。

 プラス思考も自分の身体の声を無視しては、かえっ て心身のバランスを崩してしまいます。

山田宏哉記

P.S. 紀伊国屋の仕事が思った以上にハードでした。「初日でやめる人多数」の意味がわかりました。

2005.10.14

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