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 明瞭な発音をする

 大型書店でアルバイトをしていた頃(昨日やめました)、カウンターで仕事をしていると、お客さんにあれこれ、尋ねられました。なるべく、現実に近く表現すると多くの場合、次のようなやり取りになります。

客「『…ルー…ス』という雑誌を電話で注文した…ハシと申しますが…。」
僕「かしこまりました。もう一度、タイトルとお名前をよろしいですか。 (ハッキリ発音しなよ)」
客「フ…トゥスという雑誌を頼んだタ…ハ…です。」
僕「はい。「フルートゥス」をご注文の「高橋」さまですね。」(メモ用紙に書く)
客「『″ブ″ルー″タ″ス』を頼んだ「タ″ナ″ハシ」です。」
僕「大変失礼いたしました。」  映画や小説では、絶対にありえないようなシーンです。

 日常生活でも、相手の息が浅く、発音がゴニョゴニョしていて、聞き返すことが少なくありません。特に子音がハッキリしない場合が多くあります。

 僕の耳が悪くなったのかもしれないけど、それだけではないように思います。

 明瞭な発音をすることがベストですが、自信がない人は、話し言葉特有のルールを知っておくと役に立ちます。

 ちなみに、会話の冒頭は、音が抜けやすいので、最重要の単語を持ってくるのは、厳しく言えばエチケット違反です。「すいません」の一言があるだけでも、随分と違います。

 話し言葉では、予め相手が知っている内容から入り、後半に相手が知らないことを持ってくるのがマナーです。

 先の発音不明瞭な客も、「すいません。電話で『ブルータス』という雑誌の注文をしましたタナハシですが。」という言い方をすれば、もう少しはこちらに伝わったのです。

山田宏哉記

P.S. 苦々しいな。

2005.10.31

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