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 「やりがい」と「割り切り」

 伊勢丹の方の仕事仲間に「K書店の仕事は辞めましたよ」と伝えました。 「穏やかそうに見えるのに、結構、直情的だね」と言われました。

 これでも、仕事をする際のポリシーは、あります。

 僕がこれまでお金を頂いてきた仕事には、2つのパターンがあります。  自分の志を優先する「やりがい型」と生活の経済的基盤を重視する「割り切り型」です。

 両者では、仕事への肩入れの度合いが異なってきます。  「割り切り型」の仕事では、「ミスをしない」とか「欠勤をしない」といったことを重視します。受験で言えば、合格最低点を狙う戦略です。

 清掃の仕事は、どちらかと言うと、「割り切り型」です。ただし、何も嫌々、仕事をしているわけではありません。

 僕にとって、早朝の清掃の仕事中は、原稿のアイディアを考えたり、階段を利用して、各種のトレーニングをしたり、各種の戦略を練る時間です。もちろん、定められた仕事はキチッとこなすので、文句は言わせません。

 「やりがい型」の仕事では、「仕事そのものを通して自分を磨こう」という意識が強いです。当然、満点合格を目指します。

 K書店の仕事は、各種の(悪)条件を無視して、「やりがい型」の仕事として始めました。でも、結局、失望させられることが多々あり、「やりがい」にはなり得ませんでした。  

山田宏哉記

P.S. ただ、どちらも費やすエネルギーの総量は変わりません。

2005.11.2

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