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 「活動資金」という発想

 先日、ミュージシャンの友人と話していて「音楽をするにはカネがかかる」という話がでました。

 そうなのです。楽器や機材は言うに及ばず、スタジオで練習するにも、レコーディング(録音)するにも、お金がかかります。

 ちゃんとした場所でライブ(演奏会)を開こうと思えば、有料にして一定の観客を呼ばなければ、赤字になります。

 高校時代、こんな音楽雑誌のインタビュー記事を読みました。  誰だったか、有名になったミュージシャンが「下積み時代は、バイトで貯めたお金の大半を音楽の活動資金にあてていた。」と答えていたわけです。

 ここでポイントになっているのは、「活動資金」という現実的かつ具体的な発想です。  そして、収入の大半を活動資金につぎ込むという姿勢です。  中途半端な「好き」でできることではありません。  何も音楽に限った話ではありません。

 実際、「(何か自分が打ちこむことの)活動資金のため」という意識があると、少々、きつい仕事にも耐えられます。不思議なことに、これが「趣味」や「娯楽」だと思うと、とたんに意欲が落ちます。

 特に若ければ、「将来の夢は〇〇です。」という人は結構いるけど、そのための活動資金を持っているかといえば、ほとんどの人は持っていません。

 「お金がかかるから、お金に余裕ができたら…」くらいにしか考えていないので、結局、夢のままに終わってしまいます。

 逆に言えば、活動資金という発想がある人は、それだけで周りから抜きん出ています。

 音楽に関して僕の見解を言えば、借金してでも活動資金を捻出しなければ、一流のミュージシャンにはなれないでしょう。

 そして、僕にはこれができなかった。友人は、やってのけています。

 これが本気のプロ志向の人と、趣味として音楽を楽しむ人の違いです。もちろん、どちらがいいと言うわけではありませんが。

山田宏哉記

P.S. 芸能活動であれ、文筆活動であれ、同じことです。

2005.11.23

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