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 メールで大切なことを言わない

 先日、仕事仲間と話をしていて、「女性に思いの丈(たけ)を伝えたいとき、どういう手段をとるか?」 という話で、ちょびっと盛り上がりました。

 「昔は、電話だったかなぁ。」と僕は、言いました。  面と向かって言うほど度胸がなく、かといって恋文だと間接的すぎる、と感じたからです。

 「手紙を書いて、返事が何もないと切ないですよね。かといって、『読んでくれた?』と聞くほど、男を 下げる行為もないよなぁ」と彼は言いました。

 今は、メールが一般的になって、以前と比べて、男女関係のあり方が、ずいぶん変化したように思います。

 率直に核心を言えば、「メールで大切なことを言う」人が増えました。  これは、大変に困った現象です。

 メールというのは、相手との関係性を無視して、一方的に言いたいことが書けるんですよね。

 だから、あなたが女性なら、メールで告白するような男は、やめた方がいい。  あなたが男性なら、メールで大切な話をしてはいけない。

   なぜかと一言で言えば、人生なり恋愛に対する、度胸と覚悟と誠意の問題です。  メールで大切な話をする人は、いざというとき、逃げます。

  例えば、「好きです」とメールで打つのは簡単です。  実際に、自分の口から出して言うのは、難しい。恥もかきます。  相手の気まずそうな顔を見れば、いたたまれなくなります。

 だけど、だからこそ今までの自分を越えられるように思います。

山田宏哉記

P.S. 「何を当たり前のことを」と思ってもらえれば、幸いです。

2005.11.24

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