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 会話が上手いとは、どういうことか?

   「会話が上手である」とか、「話す力がある」とは、どういうことなのでしょうか。

   僕が他人に何かを話す際、心がけていることは、発言をそのまま文字にしても、読むに耐えるものにする、ことです。特に、相手の立場や興味の持ち方に応じて、相手にとって有益な情報や知識を、会話の中にさりげなく折り込んでいます。

 なるべく、自分が相手の立場だったら、「思わずメモを取りたくなる」ことを言います。僕にとって話すとは、頭の中に書いた原稿を、一行ずつ、音読する行為に似ています。

 ところで、普通は、「話し上手」として、お笑い芸人が思い浮かんだりします。

 でも、実は僕は、例えば、お笑いコントの舞台を見聞きして、「おもしろい」と 感じることがほとんどありません。

 例えば、舞台で「うひょー」とか叫んで、飛び回ったり、裸踊りを始めれば、ある種の笑いを取ることができるでしょう。

 でもね、僕から見ると、こういうのは、芸や技術の粋に達していないし、本当の意味では、おもしろくないんだよね。

 理由は、斉藤孝さんが言うところの「意味の含有率」が低いから、です。  つまり話したことをそのまま文字に落としたら、読むに耐えない、ということです。

 実際、中学時代、社会の教師に教わったことで最も有益だったことは、 「シモネタに頼るのは、二流、三流のお笑い芸人である。」ということでした。

 とはいえ、言語的には意味のないことを、思いつくままに喋ることができて、周りを盛り上げられる人が、羨ましいとは、思います。これは、立派な会話能力です。(ただし、努力でなんとかするのは難しい。)

 僕には、それができないから、会話能力を上げる方法としては、一言一言の密度を高くするという方向に向かうことになります。

山田宏哉記

P.S. 我ながら、思わずメモを取りたくなる内容でした。

2005.12.3

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