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 不完全燃焼の五月病

 大学に入学してから、無気力になることを「五月病」と呼んだりします。  「燃え尽き症候群」とも呼ばれたりします。

 確かに、あまりに人間的に未熟で活力に乏しく、こちらまでイライラしてくる学生は、少なからずいます。

 僕は、こういう学生を燃え尽き症候群とは思いません。  むしろ、不完全燃焼のまま、プスプスとくすぶり続けているのだと思います。

 僕の経験から言っても、燃え尽きたと感じたときは、新たな意欲が湧いてくるからです。

   高校生が、大学入学後も伸びるか、沈滞するかは、案外、大学受験への取り組み方が、カギを握っています。

 僕の観察では、大学入学生には4種類います。

 @.受験勉強をすることに何の疑問を感じず、ひたすら勉強に打ち込み、第一志望校に合格した人。

 A.受験勉強をすることに何の疑問を感じず、ひたすら勉強に打ち込み、第一志望に不合格だった人。

 B.受験勉強にほとんど価値を認めず、なおかつ第一志望に合格した人。

 C.受験勉強にほとんど価値を認めず、第一志望に不合格だった人。

 @Aのタイプの人間は、法学部系統の学部に多くいます。  つまり、敷かれたレールの上を走ることに、何の疑問も感じない人たちです。  言葉を変えれば、官僚体質です。(個人的には、親しくなりたいとは思いません。)

 BCは、芸術志向が強い学生に見られます。  Bは才能あり、Cは凡才、ということになりますが、本人は入試結果など特に気にしていないと思うので、いいでしょう。  はなから、受験など無視している人は、健全でいいのです。

 ある意味、気の毒なのは、Aの人たちで、おそらくこれが、不完全燃焼の五月病を引き起こします。

   やっぱりね、貴重な高校生活を犠牲にして、膨大な時間を受験勉強につぎ込んで、なおかつ滑り止めの大学にしか合格しなかったら、たまらんと思いますよ。

 そういう時、何が起きるかというと、人間というのは、自我が傷つかないように、自己正当化が始まるんだよね。

 つまり、自分の通う大学は、素晴らしい大学でどこどこの大学より上だとか、周りに自慢し始めたりするのです。

 (もっとも、自慢という行為は、自信が持ちきれないことの裏返しです。)

 東大か京大以外の国公立大学に通う人も、センター試験の点数等で、何らかの不本意な妥協を強いられた人が多くいます。  だから、大学入学後も、くすぶり続けることが多々あるのだよね。

 処方箋としては、過ぎたことはとっとと忘れて、新たな目標を立てることですかね。

山田宏哉記

P.S.  僕? ふふふ、Bに当てはまります。

2005.12.8

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