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 満腹になるまで食べない

 昔から、食事の「量」に関する格言として、「腹八分医者いらず」「腹六分に病なし」ということが言われてきました。

 お相撲さんは、朝食を抜いて稽古をして、お腹がペコペコになった状態で、昼食を満腹になるまで食べて、昼寝をするそうです。すると一気に、体重増量というわけです。

 また、力士の平均寿命は、他の職業の人と比べて約10年短いと言われています。これは、えてして「食べすぎ」が大きな要因を占めています。

 プロレスラーも、満腹になった状態から、さらに食べ物を口から詰めこんで体重を増やしているので、若くして亡くなる人が珍しくありません。

 減量したい人や身体にいい生活をしたい人は、この逆をすればいいのです。

 ところで、「満腹になるまで食べないと、食べた気がしない」という人は、味覚と嗅覚が不感症になっている可能性が多々あります。

 なぜなら、食べ過ぎの人は、「おいしい」から食べているわけではない場合が多いからです。

 例えば、口呼吸の人は、料理の匂いを味わうことができません。  ウナギの蒲焼(かばやき)などはその典型ですが、香りは、「おいしさ」を構成する大切な要素のひとつです。

 鼻呼吸をしている人と、口呼吸をしている人では、同じ料理を食べても、「おいしさ」の満足度が全く異なります。口呼吸をしている人は、質で満足できないから、量で補おうとして食べ過ぎてしまうのです。

 また、単に口元が寂しいというのであれば、キシリトール入りのガムやスルメを噛むことをお勧めします。歯や顎のトレーニングにもなります。

 巷には、あれこれダイエット法や健康法が出回っていますが、おそらく満腹になるまで食べることを勧めているものは、皆無のはずです。

 やはり、普通に生活している限り、食事の量に関しては、「食べ過ぎない」ということが、最優先課題になります。

山田宏哉記

P.S. 食べ過ぎになりそうなときは、「太って早死に」と自分に言い聞かせましょう。

2005.12.12

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