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 キャンディの味とともに/恋愛論の達人5

 僕が、恋愛論相談らしきことをしている男性の話の続きです。  先回、「お詫びのキャンディ」に対して、わざわざ手紙を書いて渡したところまで書きました。

 そのお礼の手紙の内容が、判明しました。  衝撃的でした。

   何せ、「キャンディの味とともにあなたの笑顔が脳裏に浮かびます。」というような言葉が延々と続くのです。

 「えっ、それジョークで書いたんだよね?」というのが、率直な僕の感想でした。

 デートの誘いをかけてノーといわれた人に対して、通常の感覚では、そんな手紙は書かないからなぁ。

 ところが、本人はいたって本気で書いたそうです。  うわっ、やっちゃったよ。

 彼は、「あの手紙を渡してから、どうも避けられているのではないか。」と心配しているようです。  言葉に詰まってしまいました。

 何だか、先行きが非常に暗いのですが、構わず能書きをたれます。

 おそらく、彼にとって、女性を何かに誘ったりするのは、「好きです。つきあって下さい。」という「告白」に等しいことだったのですね。  だから、大仰に構えてしまったのではないかなぁ。

 そんなことないぜい。

 デートに一回や二回、誘って断られたくらいで、いちいちめげていたら、損だよね。  またそれは、手紙にあれこれ書かなくてはいけないような事柄ではないよね。

 普通に会話ができる間柄なら、別に、何回誘ったっていいのです。  5回断られて、6回目でオーケーだった、というようなことは、案外ありますからね。

   だから、いわゆる「告白」は、最終手段にした方がいいよね。  「告白」してキッパリ断られたら、こっちは、たいてい一回限りでチャンスがなくなっちゃうから。

山田宏哉記

P.S. 妄想過多な僕も、ビックリでした。

2005.12.22

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