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 手帳は忘れるためにある

 手帳を持たない人は、よく「予定は、完璧に覚えていられるから大丈夫」と言います。一見、もっともらしく聞こえます。 

 だけど、僕が手帳を勧める理由は、「予定を完璧に覚える」のは、脳の使い方としてもったいなからなのです。

 「手帳を持つ」あるいは「メモをする行為」の目的は、実は、忘れるためなのです。

 つまり、スケジュール管理や何かを忘れないようにする、という単純記憶に脳の容量を使わないようにするためです。特に、数字の暗記は、必要以上にしないことです。

 手帳という外部装置に書きこむということは、その分だけ、知識や情報や記憶を、脳内(顕在意識)から消去できるということなのです。

 PC(電脳)のハードディスクと同じで、情報がたまってくると、作動するのが遅くなります。余計なものは、なるべく削除した方がいいのです。

 「忘れてはいけない予定や数字」などがつまっていると、どうしても意識がそちらに傾いて、集中力が鈍くなります。

 手帳を持つ人と持たない人で能力に差がつくのは、主としてこの1点にかかっているのです。

 以前、「ドラゴンボールZ」の主題歌で「アタマ空っぽの方が夢つめこめる」という歌詞がありましたが、まさにその通りです。

 僕も、手帳に書きこんだり、文章を書いたりすることで、なるべく頭を空っぽにするようにしています。  

山田宏哉記

P.S. 手帳は、脳の負担を軽減する道具でもあったのです。

2005.12.25

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