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 恋愛映画を観たくなるとき/恋敗物語(1)

 「恋愛論の達人」の続編として、「恋敗(れんぱい)物語」を新連載します。  主人公の男性は、前作と同じで、達人(たつと)君としておきます。

 達人君と雑談をしていると、映画の話になりました。  どうも達人君は、クリスマス・イブの敗戦から立ち直れないようです。

 僕は、達人君に恋愛映画を勧めることにしました。  恋愛映画というのは、満たされている時より、傷心状態の時の方が、心に染みるからです。欲を言えば、映画館で観たい。

 もうひとつ、これは本人には言っていませんが、達人君に、恋愛文法の初歩を勉強してもらいたいからです。

 僕も他人のことは言えませんが、達人君も、恋愛映画を観ていれば、少しは女性に喜ばれることと、迷惑がられることの区別くらいは、ついたように思います。

 古くは、オードリー・ヘップバーンのものがいいですよね。

 恋愛映画の古典として定番の『ローマの休日』はもちろん、『麗しのサブリナ』や『昼下がりの情事』も、僕のお気に入りの作品です。単純な筋立てでありながら、味を出しています。

 最近の恋愛映画(?)では、『オペラ座の怪人』『ミリオンダラー・ベイビー』『カンフー・ハッスル』が、僕は好きです。すれて殺伐とした感じのものは、好きではありません。

 達人君が好きな映画に、マーティン・スコセッシ監督の『タクシードライバー』がありました。ただし、これは今の達人君にとっては、反面教師にした方がいい映画です。

 「もう、仕事をやめて映画を見まくりたいですよ。」  達人君がぼやいていました。

山田宏哉記

P.S. 今後、達人君に、劇的な変化が起こることを期待します。

2005.12.27

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