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 おもてなしの精神/恋敗物語(2)

    達人君がキャンディのお礼に、「熱い手紙」を書いて渡して以来、相手の女性と顔を合わせることがないようです。

 もはや偶然の一致ではなく、意図的に避けられていると考える他、ありません。

 今、冷静に思えば、お詫びのキャンディをもらった時点で、すでに「脈なし」だったのです。

 これは、「借りをつくらない」「余計な恨みを買わない」ということでしょう。

 ヤクザの方に酒を1本おごってもらったら、店を出る際、酒を2本、相手のために注文しておくのがベストということと似ています。

 達人君は、確かに「優しい」側に分類されるでしょう。  だけど、達人君には、おそらく「おもてなしの精神」が足りないのです。

 僕が話を聞く限りにおいても、優しさの裏に、下心や見返りが透けて見えるのです。

 だから今でも、「自分が傷ついた」というだけで、「相手の女性に迷惑かけちゃったなぁ」という反省が、全く欠落しているのです。

 つまり、単純に「女性に喜んでもらえたら嬉しい」という気持ちが足りないのです。

 古今東西、女性に愛される一流の男性には、この精神が人並み以上にあります。  

山田宏哉記

P.S.   これを機会に、勉強してくだされ。

2005.12.28

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